「びっくり!びっくり!ビックリリアン」(7月14日編)

前回のプログラム開催から一週間後の14日。
今度は、らっこ組さんのこども達を対象とした日です。
この日は、こども5名、ご家族2名が参加して下さいました。
ビックリリアン・チームが病棟に到着すると・・・
こどもたちが「まだか、まだか」と待ちわびていました~!!
病棟保育士さんによると、先週のリリアンのプログラムを見ていたこどもたちが
「まだリリアンの日、来ないの?」と頻繁に尋ねていたとのこと。
前回の様子を見ていて、楽しさが伝わったのでしょうネ。

前回同様、こどもたちにはボランティアスタッフが一人ずつ付き、会話をしながら編んでいきました。
また、こどものお母さんがリリアンを夢中で編む姿が見られ、とても充実した笑顔が見られました。
お母さんたちにとっても、リフレッシュの時間になったことでしょう。

今回のプログラム開催にあたって、ご協力して下さいました
こども病棟の師長さん、看護師さん、病棟保育士の皆さんには、とても感謝しております。

お仕事が忙しいなか企画してくださった長谷川さん、「けいこ山▲」の送迎や丁寧なサポートを
してくださった磯ちゃん、今回お手伝いしてくれたボランティアスタッフの皆さん、
そして「集中しすぎて、車椅子の背中が汗びっしょり」になるほど
このプログラムに熱意を注いでくださった「けいこ山▲」、本当にありがとうございました。



点滴中でも器用に編んでいます


ビックリリアンを編んでいる男児&サポートのボランティアスタッフ
「ペットボトルのより、こっちのほうがやりやすいよ!」と、男児の得意げな発言

「びっくり!びっくり!ビックリリアン」(7月7日編)

待ちに待った7月7日。プログラム当日を迎えました。
14:00~の開始前に、参加者はボランティアルームに集合後、手洗い。
最終チェックや運び込む物全部を消毒。
そして、こども病棟へ移動して、感染管理講習会を思い出して、もう一度手洗いをしました。

本日は、いるか組さんの日。
いるか組さんは、感染症によわく長期間入院しているこども達のグループです。
ビックリリアン・チーム全員、マスクを着用しての活動となります。
こども達は4歳~25歳までの7名、ご家族1名が参加してくれました。
名前&好きな食べ物を伝える自己紹介の後、
リリアンチーム・企画者の長谷川さんからリリアンの編み方を伝えるとき、
ボランティアスタッフがこども一人にひとり付き、寄り添いながらリリアンを編むことに挑戦。
けいこ山▲は、大きなリリアン編み機(ビックリリアン)を使って、デモンストレーション。

こども達は、一度コツをつかむとドンドン編み上げていきました。
それを見ていた大人のほうが、みんなびっくり!
皆、リリアンに集中して沈黙が続く時間がありましたが
和やかな空気が流れて、あたたかな雰囲気がプレイルームを包んでいました~。
看護師さんがこども達のリリアン制作を見にきて、「才能発見!すごいなぁ」と驚いたり、
プログラム終了後も、病室でリリアンを編む姿が見られたと
病棟保育士さんより報告をいただきました。

参加したボランティアスタッフの感想は・・・
「男の子たちが意外にも作り始めると集中して、長くてりっぱな作品を作り上げてくれたことに驚きました。
リリアンを通して、こども達とコミュニケーションが深まり、すごく楽しかったです。」
リリアンで、人と人とがつながる瞬間を実感したように感じますね。

「時々、作業中にしんどそうな子がいたので、時々休むよう声かけしながら、ゆっくり進めた」
 治療中のこどもへの配慮がうかがわれます。

プログラム開催前、自分自身の入院経験を元に、このプログラムを考案したけいこ山▲から
「『びっくり!びっくり!ビックリリアン』では、こどもたちにも“病院も楽しい場所になり得る”と
思ってもらいたいです!」という思いを抱いていると、聞いていました。
その思いは、きっと、こども達に届いたでしょうね♪



こども病棟に貼らせてもらった「びっくり! びっくり! ビックリリアン」のポスター


大きなリリアンを編む「けいこ山▲」とみんなの様子

「びっくり!びっくり!ビックリリアン」(初顔合わせ&編み機作成編)

同じく6月30日、
約1時間の感染管理講習会が終わると、プログラム参加者の初顔合わせの時間。

アーティスト「けいこ山▲」(けいこやま)、企画者の長谷川さんは、
「リリアン制作を通して自身の創造性を発揮し、“つくる喜び”を感じること、
また家族・友人に自身の製作物や手紙を贈り感謝の気持ちを
表現することを目的として、患者さんのこども達が主体的に活動する機会があることは、
メンタル面に好影響を及ぼすことができるのでは?」と考えてプログラムを計画してくれました。

ちなみに、リリアンとは何か・・・長谷川さんの企画書を読みながらご紹介すると、
 1本のひもを編むというこどもの遊びで、
 ひもの太さやリリアンの編み機の大きさで、できあがるものの印象がかわるもの。
 そして、筒状に編みあがるので、底を綴じてポシェットにしたり、中にクッションを入れて
 カバーにしたり、長く編めばマフラー、大きくつくればワンピースにもなるなど、
 発想次第でいろいろなものが出来上がるものです。

本日は企画者メンバーとマーブルタウンのボランティアスタッフが顔合わせをするとともに、
こども病棟で使用するリリアン編み機を作成しながら、結束を高めよう!という大事な日となりました。

参加者は、中心メンバーとボランティアスタッフを含めて9名、見学者1名。
参加したボランティアスタッフは、けいこ山や長谷川さんの企画趣旨に賛同したり、
お人柄に共感して集まってきてくれました!

まずは自己紹介。
アーティスト「けいこ山▲」は、全身性エリテマトーデス(SLE)患者で
視覚障害・肢体障害があり、現在は移動に車椅子を利用しています。
また、抗リン脂質抗体症候群(APS)もあり、それはSLEと合併発症しやすく、
APSのため(SLEも関係あるということです)、2005年夏に若年性脳梗塞を発症しました。

「けいこ山▲」はみんなの自己紹介を聴きながら、
すぐに「○○が好きな○○さん!」とボランティアスタッフのことをおぼえてくれました。
皆、照れたり、少し緊張しながら自己紹介していましたが
「けいこ山▲」の笑いを誘う言葉を聞いて、和やかになり、一気に距離が近づきました。

そして、次にリリアン編み機の制作。
ペットボトルとアイスクリームや釘など棒状のものと、
ビニールテープを材料にリリアン編み機がつくられます。
皆さんそれぞれの個性が出て、一つひとつ違うリリアン編み機が出来上がりました。

初顔合わせについて「けいこ山▲」の感想は・・・
「和やかなムードでとても楽しく、病院やのに病院じゃないみたいな気がしました!」と
のこと。
次の週に、こども達に会うのを楽しみに、こうして準備日はにぎやかに終わりました。



リリアン編み機


リリアンを試しに制作


■企画者・プロフィール
長谷川 みづほ
同志社大学文学部卒(美学及び芸術学専攻)。インターメディウム研究所修了(アートマネジメントコース)。
2008年 写真展「好奇心星人の冒険」(應典院)の企画・運営。
大阪市大病院にてワークショップの企画・サポート実施多数(しだいテレビ)(紙漉きワークショップ)他。

■アーティスト・プロフィール
けいこ山▲(山村 景子)
大阪芸術大学美術学科卒(立体コース)。
2005年 国立民族学博物館「きのうよりワクワクしてきた。−ブリコラージュ・アート・ナウ 日常の冒険者たちー」展でのワークショップ。
2005年 アートコートギャラリー「Art Court Frontier2005 3」展での作品展示。   
2008~09年NPO DANCE BOX循環プロジェクト「≒2(にあいこーるのじじょう)」での舞台美術・出演など。
全身性エリテマトーデス(SLE)患者で、視覚障害・肢体障害をもちながら、様々な芸術表現を行っている。

■アーティストサポート・プロフィール
磯貝 直子
大阪芸術大学美術学科(立体造形コース)卒業
現在、大阪キリスト教短大にて美術の助手、児童絵画・造形教室「こどものアトリエ」を運営
2008~09年NPO DANCE BOX循環プロジェクト「≒2(にあいこーるのじじょう)」での舞台美術・協力。
  

「びっくり!びっくり!ビックリリアン」(感染管理講習会編)

「入院中のこども達に“つくる喜び”を感じてほしい」という思いから
毛糸と編み機を使ってリリアンをしよう!と
リリアンで表現活動をしているアーティスト「けいこ山▲」(けいこやま)、
このプログラムを企画してくださった「長谷川さん」、
アーティスト「けいこ山▲」をサポートする「通称・磯ちゃん」が中心となって
「びっくり! びっくり! ビックリリアン」を7月に2回実施しました。

企画の構想は数年前から、準備は数か月前からだったのですが、
2009年6月30日は「けいこ山▲」をはじめ企画者側と企画者と一緒にプログラムに参加する
マーブルタウンのボランティアスタッフが、感染管理講習会を受けました。

感染管理講習会とは・・・
感染管理専任看護師さんからこども病棟に入る前の注意点や、
実際に手洗いの方法について講習を受けるというものです。
この講習は、こども病棟で活動するためには必須で
これを終えなければ活動に参加することができない、という大切なステップです。

ボランティアスタッフが活動を開始する前に、いつも丁寧に講義をしてくださる
感染管理専任看護師の藤田看護師さん。
今回は、新型インフルエンザのことも専門家の立場から最新情報をおしえてくださり、
みんな大感激! 
藤田看護師さん、ありがとうございました。


感染管理講習会の様子。みんな真剣に聴いています。


疑似・汚れのハンドクリームを付けてから手洗いしました。
   「さあ、洗えているかな?」とチェック中。